jigen033’s blog

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ステージⅣ 余命一年

がん告知はそれほど珍しい事象ではなくなった。
医療技術の進歩で、必ずしも「不治の病」という概念が薄れてきたからだと思われる。
実際に腫瘍患部を内視鏡で切除し、一日入院で社会復帰することが現実に可能となった。ステージ0なら、入院を要さない日帰りもある。

しかし、胃カメラ内視鏡・エコー・MRI・血液検査等を総合的に判断した場合、ステージはⅣと判定された。食道がんのみならず、肝臓・胃などにがんが散見されるからだ。
こうなると、外科的な治療では対応できない。リンパ線を通じてどこの臓器にも悪影響が及んでいるのかが、確認できないからだ。そしてステージⅣは、個人差があるが、発見から余命一年といわれているようだ。

主治医は、化学療法しかないと宣告した。後は、急いで取り掛かるか、緩慢に着手するかの選択権のみ僕に提示した。一般的に放射線治療と化学療法が多く採用されている。これ以上がん化の進行を抑えるにはこれしかないからだ。化学療法とは、抗がん剤治療ともいわれていて、悪性腫瘍だけに限らず、全身の健全な細胞まで攻撃する。健全な細胞組織まで劣化させるため、日々、体力や免疫力を奪っていく。よく髪の毛が抜けていくというのは、そのせいだ。特に女性はウィッグを希望することが多いと聞く。
その療法は数日間続けては、中断し、経過観測を繰り返す。しかしその先の生存率は余りにも低い。食道という器官が、多臓器に転移しやすいたちの悪い性格を有するからであり、ステージⅠやⅡのように、完治する可能性が極めて低い。

さて、余生をどのように使えばいいのか。僕は今相当に困惑している。